博物館ブログ

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~夏休みですね・・・。最近の教育資料館~

 こんにちは!教育資料館です。

例年以上の暑さが堪える今日のこの頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?世間一般的には夏休みですね!

教育資料館の2階から

 去る8月2日に当館では、小学校の夏休み期間を利用して、山形市小学校教育研究会(国語科と社会科)の先生方たちの研修会が行われました。偶然にも8月2日は明治5年に「学制」が発布された日にあたります。


 当日の合間にお話を伺うと、先生方のほとんどは当館には幾度も来館されたことがあるとのことですが、それはあくまでも引率者としての立場でとのこと。引率される場合は生徒さんをまとめることに集中されているため、じっくりと見学することはなかなかできないとおっしゃっていたことが印象的でした。先生方は、大変生き生きと目を輝かせて楽しそうに当館を見学されていて、解説を担当した私もうれしく思いました。

教育資料館の廊下

8月に入ると当館では、ご家族で見学にいらっしゃる姿が時々見られるようになりました。学校が夏休みの間、子供たちは遊びを満喫したり、宿題をこなしたり、ご家族で旅行に行ったり・・・ひと夏の間にたくさんの思い出を作ることでしょうね。


 ところで、ふと考えますと、夏休みってどれくらい前からあったのでしょうか。日本で夏休みという概念ができたのは明治時代になってからのことです。文部省(現在の文部科学省)が明治14年の「小学校教則綱領」において、初めて「夏季休業」を定めました。

 世間では、当初はお正月以外の長期休みに対して理解も乏しかったとのことですが、日本でも欧米の近代的な学校制度を取り入れて、夏休みが導入されることとなったのです。日本全国地域によって日数に違いはありますが、現在のように7月下旬から8月末までというのが一般的になったのは昭和10年代に入ってからだそうです。(山形県内の学校はどちらかというと、夏休み期間が少し短めのようですね。)

 当館の2階に展示している資料に当時の女学生による夏休みの日記があります。イラスト、とっても上手ですよね。女学生の夏休みがどんなものだったのか、色々と想像がふくらんで興味深いです。

教育資料館の展示

 さて、当館のお隣にある山形北高校では今年は4年ぶりに文化祭が一般公開されます!

8月26日(土)に当館の北隣にある北高史料館も公開予定です。女学校時代からの史料が見られるとても貴重な機会ですよ。(史料館は元々、年に一度しか公開されません。)

 皆様、是非足をお運びください。立秋をすぎても、まだまだ暑さが厳しいので、くれぐれも熱中症に気をつけてお過ごしくださいね!

今年度も来館者1万人突破しました

暑中お見舞い申し上げます。

東北地方も梅雨明けが発表され、いよいよ夏本番ですね。皆さんいかがお過ごしでしょうか。

 博物館では、連日暑い中たくさんのお客様にお越しいただいており、おかげさまで7月7日(金)には今年度の来館者数一万人を達成することができました!

 当日は記念セレモニーを開き、一万人目の来館者となった東根市立東根小学校の皆さんへ認定証と記念品を贈呈し、お祝いしました。

記念撮影後、児童の皆さんは館内を巡って楽しそうに学習されていました。


1万人目の来館者様
1万人突破記念セレモニーでの記念撮影

 これまでご来館いただいた方々に心より感謝を申し上げますとともに、これからも博物館に親しんでいただけるよう職員一同努めてまいりますので、引き続き、山形県立博物館をよろしくお願いいたします!

 現在、当館では、奥深いホネの世界をわかりやすく紹介する、特別展「Bones‐生き物の骨格はどうなっているのか‐」を絶賛開催中です。

 詳しい内容やその他のイベント情報は、当ホームページやTwitter等でご覧いただけますので、是非チェックしてくださいね。

皆さんのお越しをお待ちしております!

山形北高等学校による英語の展示解説がありました

 6月2日(金)の午後、県立博物館分館教育資料館にて、当館に隣接した山形県立山形北高等学校の語学部の生徒の皆さんが、山形市内の県立高等学校に勤務しているALTの先生方に対し、英語で館内の案内と展示資料について解説するという大変画期的な試みが行われました。

 参加した語学部の生徒たちは17名で、ALTの先生は4名でした。館内の案内と解説は、生徒たちが4つのグループに分かれて行っていました。普段指導を受けている北高のRosie先生以外のALTの先生方とは全くの初対面だったそうですが、すぐにお互いに打ち解けて、終始和やかな雰囲気につつまれました。北高語学部の生徒たちはこの度の活動のために、幾度も当館に足を運び、準備を重ねていました。

ALTの先生方へ英語で展示資料を解説する山形北高語学部の生徒

 当日、はじめはやや不安もあったようでしたが、生徒たちは明るくハキハキと話し、ALTの先生の質問にもしっかりと答えていました。生徒の皆さんの姿を見て、その頑張りにとても頼もしさを覚えました!英語の発音もお褒めの言葉を頂いていましたよ。当日の英語の解説と案内は、結果として大成功に終わりました。

江戸時代の山形の教育を解説しています

 当日をもって、3年生は部活動を引退するとのことで、最後は一人一人が1・2年生に対して、激励を含めた挨拶をしていました。3年生の皆さん、大変お疲れ様でした。素晴らしい有終の美を飾れたのではないでしょうか。今後の語学部の皆さんの活躍が改めて楽しみな一日になりました。

実際に当時と同じ方法で文字を書いてみていました
山形北高等学校の生徒とALTの先生

特別展「Bones」開催中です 

 6月3日(土)より、当館2階の〔第3展示室〕にて、特別展「Bones ―生き物の骨格はどうなっているのか―」を開催中です。連日、多くのお客様や学校団体様にお越しいただき、誠にありがとうございます。

 この展示会は、生き物の内部構造である「骨格」に焦点を当てた展示となっております。普段はなかなか目にすることのない“生き物の骨格”を、はく製や写真と比較しながら観察することができる貴重な機会となっておりますので、ぜひお越しください。

特別展Bonesが開催されている第3展示室の入口

 また、1階の〔体験広場〕では、 “さわることができる展示”を再開いたしました。昔の道具や化石、「縄文の女神」のレプリカ等を、直接さわって確かめていただけるコーナーとなっておりますので、こちらも併せてお楽しみください。

皆さまのご来館を心よりお待ちしております。

さわることができる展示

新規職員のご紹介(民俗)

 博物館ブログをご覧いただいている皆様、はじめまして。令和5年度から山形県立博物館の学芸員として勤務している稲垣圭祐(いながきけいすけ)です。

 山形県立博物館の分野には歴史や植物など7つの部門がありますが、この中でも私は民俗分野を担当しています。民俗と聞くとあまりなじみがなく、ぼんやりとしたイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

 わかりやすい言葉にすると、ある地域や家など集団の中で人々、特に農民や漁民など庶民層がどのような生活を送ってきたのかについて研究しています。この民俗という分野の中でも、私自身は庶民生活史を専門分野としています。

 一言に「人間の生活」「人々の暮らし」と言っても、時代や地域、仕事、立場など様々な事情で千差万別で様々な姿があります。私達の暮らしの姿はどのようなものか、私達が暮らすためにどんな社会を作り出しているか、社会は自分達の暮らしにどんな影響を与えているかなどに目を向けて探究しています。山形県にはいったいどんな暮らしの姿があるのでしょうか。

 実は私の生まれは山形県ではなく、三重県です。令和2年から令和5年3月まで中山町で地域おこし協力隊として活動をしていました。中山町に来るまで山形県とはあまり関わりはありませんでした。

 そんな私も山形暮らし4年目を迎えますが、まだまだ分からないことばかりです。だからこそ、学芸員という専門的な視点だけでなく、よそ者の客観的な視点とあわせて地域の方々が何を大切にしているのか、山形県外にどんな魅力を伝えると良いか向き合っていきたいと思います。 これからも山形県内をフィールドとして研究活動に取り組み、山形県の魅力を掘り下げていきます。

新規職員(民俗)
民俗担当です。

ヤマガタダイカイギュウの取材がありました

こんにちは。

新緑が眩しい季節となり、日に日に暖かさが増しておりますが、皆様お元気でしょうか。山形県立博物館は6月の特別展に向けて、日々準備を進めております。

さて、4月中旬に遠路はるばる関東から当館の展示物に取材がございました。特に地学です。

もう一度申し上げます。

特に地学です!!

(担当者の強い意志が入っています。)

本の編集者の方々が山形県天然記念物に指定されておりますヤマガタダイカイギュウの化石と地学と自然分野の常設展示を取材されました。学芸員の説明に熱心に聞き入っておられまして、今から本の出版が楽しみです。

後日、編集者の方々のホームページに、当館での取材の様子が公開されておりました。

なんと、全3部作の超大作×2!

そこで、公開されておりましたホームページと記事を紹介させていただきます。

ブログへの記載をご快諾いただきました編集者の方々へ、この場を借りまして、お礼申し上げます。

取材くださった編集者のホームページは以下の通りになります。

本のあて。

https://note.com/honnoate/

【編集先記:今、本を作っています】ヤマガタダイカイギュウに会いたくて山形県立博物館編vol.1

https://note.com/honnoate/n/n235a3c539183

【編集先記:今、本を作っています】ヤマガタダイカイギュウに会いたくて山形県立博物館編vol.2

https://note.com/honnoate/n/n3757b210120f

【編集先記:今、本を作っています】ヤマガタダイカイギュウに会いたくて山形県立博物館編vol.3

https://note.com/honnoate/n/n34e32f939276

【編集先記に同行してみた件】ヤマガタダイカイギュウに私も会いたくて山形県立博物館編vol.1

https://note.com/honnoate/n/n42f93c60fbfc

【編集先記に同行してみた件】ヤマガタダイカイギュウに私も会いたくて山形県立博物館編vol.2

https://note.com/honnoate/n/n17daaa1ccae8

【編集先記に同行してみた件】ヤマガタダイカイギュウに私も会いたくて山形県立博物館編vol.3

https://note.com/honnoate/n/nc4ea6a0276ef

ヤマガタダイカイギュウの発掘ストーリーを取材されていました。
ヤマガタダイカイギュウの取材の様子です。

セレクション展は5月14日まで

こんにちは。桜の季節で賑わった霞城公園も、今や青々と新緑が美しい景色が広がっております。とても爽やかで、心が洗われるようです。
しかし、春の暖かさの中に急激な寒さもあったりと、体調管理が難しい毎日ですよね。皆さま、お体には気をつけてください。
さて、3月から開催されている「第5回やまはくセレクション展」も残り僅かとなってきました。
地学・植物・動物・考古・歴史・民俗・教育の全7部門から構成されている本展示会は、新収蔵資料や未公開資料などを展示中です。
第三展示室の半分の空間に、約90点の資料がぎゅぎゅっと詰まっております。

各テーマをご紹介します。
地学部門 「地球最古級の溶岩と会津盆地の化石」
植物部門 「牧野富太郎と山形~1931年、らんまんな飛島にて~」
動物部門 「日本近海のウミガメたち」
考古部門 「尾花沢市原の内A遺跡」
歴史部門 「どうする義光―最上義光と徳川家康―」
民俗部門 「四季農耕図と農具」
教育部門 「山形師範学校初代校長斎藤篤信の掛軸」
気になるものはありましたか?

最近、テレビドラマで飛び交う単語に興味が出てきたよ!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ぜひ、この機会にやまはくへ足をお運びください。
ちょっと難しそう、という方にもご安心いただきたいのが、解説会に参加したように詳しく分かる!?担当者による解説シートが全部門あるのです。展示資料と合わせてご覧いただければ、より深く楽しんでいただけるかと思います。

5月14日(日)までの開催となっております。初公開資料も多数ありますので、霞城公園を散策しながら、気軽にお立ち寄りいただければ幸いです。

新規職員のご紹介(地学)

初めまして。

今年度から山形県立博物館で地学担当の学芸員として着任しました瀬戸と申します。

私は地学の中の地層(海のたい積岩が得意です)や化石(主に貝の化石が得意です)が専門分野です。

もう少しだけ専門用語で説明すると、後期新生代の貝類化石に基づく堆積環境の復元が研究テーマです。また、現在の生きている貝にも興味があります。

これから、山形県内をあちこち巡ってみる予定なので、博物館以外にも出没するかもしれません。

関東から山形県に来ましたので、まだまだ山形県に関しまして素人ですが、これからもどうぞよろしくお願いします。

山形県立博物館の新規職員

東日本大震災から12年…

いまから230年前、寛政五年正月七日(1793年2月17日)の正午過ぎ頃、
大規模な地震が東北地方を襲いました。
その時のようすを当時の人が家の仏壇に書き残した「地震書付」という
資料が県博には所蔵されています。
3/10(金)~21(火・祝)の期間限定で展示いたします。
東日本大震災から12年を迎える今。
地震のようすを後世に伝え残そうとした人の思いに触れていただければと思います。

山形北高語学部の皆さんがパンフを作ってくれました

 県立山形北高等学校(以下、「山形北高校」)は教育資料館と隣接しており、Googleマップで見てみると、教育資料館と山形北高校は、同じ敷地内にあると錯覚するほどです。実は過去に教育資料館の建物は、山形北高校の校舎として使われていた歴史があります。とても縁のある「お隣さん」です。その山形北高校の語学部1・2年生計13名の生徒さんが、教育資料館のパンフレット英語版を作成してくれました。さらに、JR山形駅、北山形駅、山形空港などに設置できるよう足を運んでくれました。語学部の皆さん、大変ありがとうございました。

 パンフレットというものは、来館時間などの基本情報やフロア案内といった客観的な情報だけでは、何か物足りない感じがします。作り手の「思い」「おすすめ」などが盛り込まれていると、生きた情報として読み手にメッセージが伝わり、より発信力のある仕上がりになると思います。
 その点で、このたび作っていただいたパンフレットでは、生徒皆さんならではの視点や興味関心が盛り込まれた「Interesting Facts」というページが注目されます。三か所のポイントが紹介されていますが、そのうち「What is he looking at ?」は、そこに着目しましたか!と、自分にはない視点に感心させられました。「It’s the same now.」と、今も同じであると結んでいます。現役の生徒だからこそのセンスが光りました(ネタバレを避けた説明で、すいません)。そして、全体が手書きの基調であることも、生徒さんたちの気持ちが伝わります。知るだけではなく、楽しむパンフレットになっています。

 当館においても、昨年秋から外国人の入館者が増えています。多くの人々が、この英語版パンフレットを手にし、日本での旅の思い出として、本国に持ち帰ってくれるでしょう。

パンフレットの贈呈式が行われました