やまはくブログ

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「特別展が無事に閉展&プライム企画展はじまりました!」

 まずはお知らせより
 9月30日(土)よりプライム企画展「高等女学校と実科高等女学校-青春の学びと生活-」が
 はじまりました。
 山形県の女子教育の歴史が分かる400点以上の資料が展示されており、見ごたえ十分の展示となっております。(全ての資料をしっかり見たら2時間以上はかかるのでは⁉)
 上の世代の方はもちろん、山形県の歴史や教育、郷土史などに興味のある方も楽しめる展示内容です。12月10日(日)までの展示ですので、みなさまぜひ当館へ足をお運びください!!

プライム企画展テープカットの様子 
開展式後の展示解説会(木村専門員)

 話は変わりまして8月27日(日)に閉展した特別展「Bones-生き物の骨格はどうなっているのかー」を振り返りたいと思います。

 テーマからも分かるように、骨格標本が中心となる展示会を開催しました。
 骨を展示テーマにしたのは「インパクトがあり、多くの方に興味を持ってもらえそうだから」という理由です。(実は、骨格標本を中心に据える展示会は当館初の試みでした。)

 しかし、骨格標本の展示会は想像以上にハードルの高いものでした。なぜなら、当館には骨格標本がほとんど収蔵されていないからです。そんな状況で骨格標本を展示するという事は、骨格標本を所有する施設や団体に協力していただかないと成り立たないことを意味します。協力してもらえるか不安でしたが、お願いをした施設・団体の方々は快く引き受けてくださり、多くの骨格標本を展示することができました。協力してくださった方々には本当に感謝しています。

ご協力のおかげで開催ができました

 展示会が始まると想像以上にお客さんが入り、期間中12,362人の方に足をお運びいただきました。
ちょうど学校の夏休み期間と重なっていたこともあり、お子様連れのご家族が多かった印象があります。興味津々で骨を見ている子供たちの顔を見ると、展示までの苦労が吹き飛びました。

子どもに人気だったキリンの骨格標本(仙台市八木山動物公園 蔵)

 展示期間中のアンケートもたくさんの方にご記入をいただきました。例年になく多くのご意見・ご感想をいただいております。(入力担当者が困ってしまうくらいいただいております笑)みなさまからいただいたご意見・ご感想は全て目を通させていただき、改善できることは改善し、今後に活かせることはしっかりと活かしていきたいと思います。

 特別展を見にご来館くださった皆様、本当にありがとうございました。
 今後も展示会やイベント・講座等予定しておりますので、またのご来館をお待ちしております!

                                 特別展担当 動物部門 細越林太郎

特別展「Bones」開催中です 

 6月3日(土)より、当館2階の〔第3展示室〕にて、特別展「Bones ―生き物の骨格はどうなっているのか―」を開催中です。連日、多くのお客様や学校団体様にお越しいただき、誠にありがとうございます。

 この展示会は、生き物の内部構造である「骨格」に焦点を当てた展示となっております。普段はなかなか目にすることのない“生き物の骨格”を、はく製や写真と比較しながら観察することができる貴重な機会となっておりますので、ぜひお越しください。

特別展Bonesが開催されている第3展示室の入口

 また、1階の〔体験広場〕では、 “さわることができる展示”を再開いたしました。昔の道具や化石、「縄文の女神」のレプリカ等を、直接さわって確かめていただけるコーナーとなっておりますので、こちらも併せてお楽しみください。

皆さまのご来館を心よりお待ちしております。

さわることができる展示

新規職員のご紹介(民俗)

 博物館ブログをご覧いただいている皆様、はじめまして。令和5年度から山形県立博物館の学芸員として勤務している稲垣圭祐(いながきけいすけ)です。

 山形県立博物館の分野には歴史や植物など7つの部門がありますが、この中でも私は民俗分野を担当しています。民俗と聞くとあまりなじみがなく、ぼんやりとしたイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

 わかりやすい言葉にすると、ある地域や家など集団の中で人々、特に農民や漁民など庶民層がどのような生活を送ってきたのかについて研究しています。この民俗という分野の中でも、私自身は庶民生活史を専門分野としています。

 一言に「人間の生活」「人々の暮らし」と言っても、時代や地域、仕事、立場など様々な事情で千差万別で様々な姿があります。私達の暮らしの姿はどのようなものか、私達が暮らすためにどんな社会を作り出しているか、社会は自分達の暮らしにどんな影響を与えているかなどに目を向けて探究しています。山形県にはいったいどんな暮らしの姿があるのでしょうか。

 実は私の生まれは山形県ではなく、三重県です。令和2年から令和5年3月まで中山町で地域おこし協力隊として活動をしていました。中山町に来るまで山形県とはあまり関わりはありませんでした。

 そんな私も山形暮らし4年目を迎えますが、まだまだ分からないことばかりです。だからこそ、学芸員という専門的な視点だけでなく、よそ者の客観的な視点とあわせて地域の方々が何を大切にしているのか、山形県外にどんな魅力を伝えると良いか向き合っていきたいと思います。 これからも山形県内をフィールドとして研究活動に取り組み、山形県の魅力を掘り下げていきます。

新規職員(民俗)
民俗担当です。

ヤマガタダイカイギュウの取材がありました

こんにちは。

新緑が眩しい季節となり、日に日に暖かさが増しておりますが、皆様お元気でしょうか。山形県立博物館は6月の特別展に向けて、日々準備を進めております。

さて、4月中旬に遠路はるばる関東から当館の展示物に取材がございました。特に地学です。

もう一度申し上げます。

特に地学です!!

(担当者の強い意志が入っています。)

本の編集者の方々が山形県天然記念物に指定されておりますヤマガタダイカイギュウの化石と地学と自然分野の常設展示を取材されました。学芸員の説明に熱心に聞き入っておられまして、今から本の出版が楽しみです。

後日、編集者の方々のホームページに、当館での取材の様子が公開されておりました。

なんと、全3部作の超大作×2!

そこで、公開されておりましたホームページと記事を紹介させていただきます。

ブログへの記載をご快諾いただきました編集者の方々へ、この場を借りまして、お礼申し上げます。

取材くださった編集者のホームページは以下の通りになります。

本のあて。

https://note.com/honnoate/

【編集先記:今、本を作っています】ヤマガタダイカイギュウに会いたくて山形県立博物館編vol.1

https://note.com/honnoate/n/n235a3c539183

【編集先記:今、本を作っています】ヤマガタダイカイギュウに会いたくて山形県立博物館編vol.2

https://note.com/honnoate/n/n3757b210120f

【編集先記:今、本を作っています】ヤマガタダイカイギュウに会いたくて山形県立博物館編vol.3

https://note.com/honnoate/n/n34e32f939276

【編集先記に同行してみた件】ヤマガタダイカイギュウに私も会いたくて山形県立博物館編vol.1

https://note.com/honnoate/n/n42f93c60fbfc

【編集先記に同行してみた件】ヤマガタダイカイギュウに私も会いたくて山形県立博物館編vol.2

https://note.com/honnoate/n/n17daaa1ccae8

【編集先記に同行してみた件】ヤマガタダイカイギュウに私も会いたくて山形県立博物館編vol.3

https://note.com/honnoate/n/nc4ea6a0276ef

ヤマガタダイカイギュウの発掘ストーリーを取材されていました。
ヤマガタダイカイギュウの取材の様子です。

セレクション展は5月14日まで

こんにちは。桜の季節で賑わった霞城公園も、今や青々と新緑が美しい景色が広がっております。とても爽やかで、心が洗われるようです。
しかし、春の暖かさの中に急激な寒さもあったりと、体調管理が難しい毎日ですよね。皆さま、お体には気をつけてください。
さて、3月から開催されている「第5回やまはくセレクション展」も残り僅かとなってきました。
地学・植物・動物・考古・歴史・民俗・教育の全7部門から構成されている本展示会は、新収蔵資料や未公開資料などを展示中です。
第三展示室の半分の空間に、約90点の資料がぎゅぎゅっと詰まっております。

各テーマをご紹介します。
地学部門 「地球最古級の溶岩と会津盆地の化石」
植物部門 「牧野富太郎と山形~1931年、らんまんな飛島にて~」
動物部門 「日本近海のウミガメたち」
考古部門 「尾花沢市原の内A遺跡」
歴史部門 「どうする義光―最上義光と徳川家康―」
民俗部門 「四季農耕図と農具」
教育部門 「山形師範学校初代校長斎藤篤信の掛軸」
気になるものはありましたか?

最近、テレビドラマで飛び交う単語に興味が出てきたよ!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ぜひ、この機会にやまはくへ足をお運びください。
ちょっと難しそう、という方にもご安心いただきたいのが、解説会に参加したように詳しく分かる!?担当者による解説シートが全部門あるのです。展示資料と合わせてご覧いただければ、より深く楽しんでいただけるかと思います。

5月14日(日)までの開催となっております。初公開資料も多数ありますので、霞城公園を散策しながら、気軽にお立ち寄りいただければ幸いです。

新規職員のご紹介(地学)

初めまして。

今年度から山形県立博物館で地学担当の学芸員として着任しました瀬戸と申します。

私は地学の中の地層(海のたい積岩が得意です)や化石(主に貝の化石が得意です)が専門分野です。

もう少しだけ専門用語で説明すると、後期新生代の貝類化石に基づく堆積環境の復元が研究テーマです。また、現在の生きている貝にも興味があります。

これから、山形県内をあちこち巡ってみる予定なので、博物館以外にも出没するかもしれません。

関東から山形県に来ましたので、まだまだ山形県に関しまして素人ですが、これからもどうぞよろしくお願いします。

山形県立博物館の新規職員

東日本大震災から12年…

いまから230年前、寛政五年正月七日(1793年2月17日)の正午過ぎ頃、
大規模な地震が東北地方を襲いました。
その時のようすを当時の人が家の仏壇に書き残した「地震書付」という
資料が県博には所蔵されています。
3/10(金)~21(火・祝)の期間限定で展示いたします。
東日本大震災から12年を迎える今。
地震のようすを後世に伝え残そうとした人の思いに触れていただければと思います。

国宝土偶「縄文の女神」展示解説会⑥

令和5年2月11日(土)
 第6回の国宝土偶「縄文の女神」展示解説会を実施いたしました。限られた時間での解説会でしたが、熱心に耳を傾けてくださいました。本年度の展示解説会はこれで終了になります。ご参加頂きました方々、本当にありがとうございました。

博物館講座⑥を開催しました(報告)について掲載しました

 博物館では、館長や当館職員、大学の先生などを講師としてお招きし、それぞれの専門分野について、分かりやすく紹介していただく「博物館講座」を年6回実施しております。

 1月21日(土)は東北大学東北アジア研究センターの野本禎司先生を講師にお招きし、第6回博物館講座を開催しました。
 講座の演題は「出羽国村山郡における旗本知行の特徴 —3000石高力家の領主支配—」です。今の深堀村・大寺村・西高楯村の三か村(現在の山辺町)に3,000石の領地を支配していた、旗本の高力家を題材として、江戸幕府の官僚制度のしくみや役人の出世についてお話しいただきました。高力家の5代長行(ながゆき)という人物は、留守居という旗本としては最高位にあたる役職まで出世したそうです。そんな高力家は幕府に出仕していたため、深堀村には来ていないそうですが、山辺の三か村の名主たちと様々なやり通りをしていたことを、当時の古文書から解説していただきました。
 江戸時代の江戸幕府の政治や、江戸と地方との関わりなどを、当館所蔵の資料も使って丁寧にお話しいただきました。ありがとうございました。

 今年度予定されていた博物館講座はすべて終了しました。今後も、各分野の専門家をお招きし、その調査・研究の成果をわかりやすく紹介していただくことで、生涯学習の機会としていただけるよう努力していきたいと思います。詳しくは4月以降に、当館ホームページ上でお知らせしますので、皆様ぜひご参加ください。

こども学芸員、博物館を紹介しました!(報告)について掲載しました

 1月9日(月・祝)「成人の日」は、無料開館日でした。そこで、山形市立第七小学校5年生の協力を受けて、博物館の資料を来館された皆様に解説していただく「こども学芸員」というイベントを開催しました。

 山形七小の5年生のみなさんは、総合的な学習の授業で県立博物館を取り上げてくださり、約半年もの間県立博物館をどうPRするかについて話し合ってくれました。今回のイベントでは、授業で学習したことを参考に、資料の解説というかたちで学芸員の仕事を体験してもらいました。休日にもかかわらず、16名の小学生が意欲的に参加してくれました。
 あわせて「わたしたちがつくる未来の博物館」というイベントを開催しました。これは、子どもたちが持っている「わたしの宝物」を博物館で展示し、一日学芸員になって解説するというものです。なかなか難しいテーマでしたが、2名の方が応募してくれました。
 今日は3連休の最終日ということもあり、また冬晴れの天気のもと、多くの来館者が来てくれました。こども学芸員たちは、事前にしっかりと調べ学習をもとに、来館者に丁寧に解説をしてくれました。中には、冬休み中に発表の練習をしてくれた子もいて、堂々と解説する姿はすばらしかったです。
 「わたしの宝物」の展示では、高校1年生が「曾祖母との思い出の絵本」を展示し、小さいときのエピソードや今はあまり会えない曾祖母への感謝の思いなどをお話ししてくれました。小学生が展示した「シーグラス」は海で拾った時の思い出などを解説していました。

 今回のイベントでは、山形市立第七小学校の先生方、保護者の皆様方からたくさんご協力いただきました。この場をお借りして感謝申し上げます。今後も、こうした行事を計画して、ホームページやツイッターでご案内したいと思いますので、ぜひご参加ください。

博物館の楽しみ方

今年ももうすぐ終わりですね。あっという間です…!
博物館では先日、プライム企画展「女神たちの饗宴」が大盛況のうちに閉展しました。
ご来館いただいた皆さま、ありがとうございました!

プライム企画展の撤収後、一時ガランとしてしまった第三展示室。しかし、現在は民俗資料の展示が復活しています!
こちらの展示も、実は企画展に負けず劣らず面白い資料だらけ!その中から少しだけご紹介します。

張子人形(とら) 
笹野彫(うさぎ)

いかがですか?どちらも伝統的な人形ですが、とっても可愛いですよね!
手づくりならではの温もりが伝わってきます。色の塗り方や彫り方など、職人技を間近で確認することもできますよ。
これらは写真ではうまく伝えられませんので、ぜひ実物をご覧いただきたいです!

「とら」は今年の干支(えと)。「うさぎ」は来年の干支ですね。
そういえば、十二支(じゅうにし)の仲間の「いのしし」は体験コーナーに剥製の展示が、第二展示室には「うし」が描かれている札の展示がある…。
博物館で十二支がそろうかも?ぜひ探してみてください!

このように、少し違う視点から見学する博物館も面白いかもしれませんね!
ルールやマナーさえきちんと守れば、博物館の楽しみ方は無限です!
ぜひ、自分だけの博物館の楽しみ方をたくさん見つけていただきたいと思います!

※ 第三展示室の民俗資料の展示は、特別展やプライム企画展開催中はご覧いただけません。ご注意ください!
※ 博物館は12月28日(水)~2023年1月4日(水)まで休館です

プライム企画展に舟形町からめがみちゃんが来てくれました!(報告)

 10月1日(土)から、博物館ではプライム企画展「女神たちの饗宴-『縄文の女神』国宝指定10周年-」を開催しております。国宝土偶「縄文の女神」が国宝に指定されてから10周年にあたるのを記念して、全国から国宝土偶(複製)を集め、5体全てを一堂に会して展示しております。
 閉展まで、あと一週間となった12月4日(日)に、なんと「縄文の女神のふるさと」舟形町から、「めがみちゃん」がかけつけてくれました。とてもかわいらしい姿で、プライム企画展を盛り上げてくれました。
 県立博物館に来てくれるのが決まったのが2日前と、急な日程だったため告知が遅れてしまいましたが、小雨が降る悪天候にもかかわらず、第4回展示解説会に参加された皆様や、近くに住む小学生など多くの方が来館して、めがみちゃんと触れ合ってもらえました。ありがとうございます。
 中には仙台市から来館されたという親子もいらっしゃいました。お母さんからは「こんなイベントがあるのは知らなかったけど、たまたま会うことができて良かった」というお話を聞くことができました。企画展最後のイベントを、楽しい思い出にしていただけたならうれしい限りです。
 縄文時代の土偶をテーマとした今年のプライム企画展、開催期間もいよいよあと1週間。12月11日(日)までの開催となります。皆様のご来館をお待ちしています。

プライム企画展記念講演会③を開催しました(報告)

 10月1日(土)から、博物館ではプライム企画展「女神たちの饗宴-『縄文の女神』国宝指定10周年-」を開催しております。国宝土偶「縄文の女神」が国宝に指定されてから10周年にあたるのを記念して、全国から国宝土偶(複製)を集め、5体全てを一堂に会して展示しております。
 11月6日(日)は、山形県埋蔵文化財センターから2名の方を講師にお招きし、「縄文の女神」が作成された縄文時代の山形造形についてお話ししていただきました。
 小林圭一氏からは「西ノ前型土偶と縄文時代中期の地域社会」と題して、村山市の西海渕遺跡に見られる環濠集落など、縄文時代中期の集落跡を取り上げ、縄文人の生活の様子や時代による変化などについて、遺跡の調査からわかったことを元にお話しいただきました。
 菅原哲文氏の演題は「山形県南部の縄文時代集落と土偶」。山形県南部の大規模な縄文集落跡である台ノ上遺跡(米沢市)を題材として、土偶や土器、住居跡、貯蔵やお墓として使われた土坑などから当時のくらしについてお話しいただきました。土偶や土器の形式を丁寧にひも解くと、北東北や北陸、関東の影響をうけていることが分かるとのことで、当時でも広い地域との交流があったことが伺えました。
 今回講師をお引き受けいただいたお二方は、山形県の埋蔵文化財の発掘調査において最前線で活躍されています。お忙しい中にもかかわらず講演をお引き受けいただきありがとうございました。たくさんの方にご参加いただき、貴重なお話を聞くことができて素晴らしい時間となりました。

プライム企画展体験イベント②を開催しました(報告)

 10月1日(土)から、博物館ではプライム企画展「女神たちの饗宴-『縄文の女神』国宝指定10周年-」を開催しております。国宝土偶「縄文の女神」が国宝に指定されてから10周年にあたるのを記念して、全国から国宝土偶(複製)を集め、5体全てを一堂に会して展示しております。
 11月23日(水・祝)は体験イベント「親子で勾玉(まがたま)をつくろう」を開催しました。今回は県立うきたむ風土記の丘考古資料館の伊藤さんにご協力いただきました。滑石(かっせき)という柔らかな石を紙やすりで削り、世界に一つの自分だけの勾玉をつくりました。
 あいにくの雨模様にもかかわらず、たくさんの方に参加してもらいました。熱心に石を削って、思い思いの勾玉をイメージして仕上げていました。最後に水の中で丁寧に削ってつるつるに磨きあげて完成させた勾玉と縄文服で、記念写真を撮る親子もたくさんいました。今年最後の祝日が、楽しい思い出になったのではないでしょうか。
 縄文時代の土偶をテーマとした今年のプライム企画展、開催期間もあとわずかとなりました。12月11日(日)までの開催となります。皆様のご来館をお待ちしています。

プライム企画展記念講演会②を開催しました(報告)

 10月1日(土)から、博物館ではプライム企画展「女神たちの饗宴-『縄文の女神』国宝指定10周年-」を開催しております。国宝土偶「縄文の女神」が国宝に指定されてから10周年にあたるのを記念して、全国から国宝土偶(複製)を集め、5体全てを一堂に会して展示しております。
 11月6日(日)は、山形県考古学会会長の阿部明彦先生をお招きし、「縄文の女神」の造形における新しい考察を紹介していただきました。
 「縄文の女神」が他の土偶に比べて赤みがかった肌色が美しく発色されていることから、化粧土による装飾が施されていること、脚部側面に見られる修復痕から丁寧につくられたこと、右脚に重心を置いて今にも前に歩き出そうとする姿を表していることなど、長年「縄文の女神」を観察してこられた阿部先生ならではのお話しを聞くことができました。また、西ノ前型土偶や鼓形の石棒の分布圏が重なることから、蔵王山麓に広がりを見せる文化圏についての考察をお話しいただきました。
 山形県の埋蔵文化財研究に長らく関わられたその経験と知識に基づくお話しは興味深く、たくさん学ばせていただきました。
 講演の後は展示室に移動し、ギャラリートークもしていただきました。お忙しいにもかかわらず、参加者の質問にもお答えいただき、楽しい時を過ごすことができました。

 次回の記念講演会③は11月20日(日)に、(公財)山形県埋蔵文化財センターの小林圭一先生、菅原哲文先生の両名をお招きして開催します。現在、埋蔵文化財調査の最前線に立たれているお二方からお話しをお聞きします。当館ホームページで募集を開始しておりますので、こちらもぜひご参加ください。

プライム企画展記念イベント「体験!縄文のくらし」を開催しました(報告)

 10月1日(土)から、博物館ではプライム企画展「女神たちの饗宴-『縄文の女神』国宝指定10周年-」を開催しております。国宝土偶「縄文の女神」が国宝に指定されてから10周年にあたるのを記念して、全国から国宝土偶(複製)を集め、5体全てを一堂に会して展示しております。
 10月29日(土)30日(日)の2日間は「東北文化の日」無料開館日でした。それに合わせて企画展の記念イベント「体験!縄文のくらし」という、縄文時代の人びとのくらしに関連して体験できるようなイベントを行いました。
 29日は「アンギン編み」「古代風ブレスレットづくり」というクラフト系のイベントでした。複数の糸を組み合わせて織りあげるため、単純な作業を繰り返す根気と努力が必要でしたが、参加した方からは「夢中になれて楽しかったです(宮城県、50代女性)」「親子で楽しく参加できました(南陽市、40代女性)」「ハンドメイドの記念品が良かった(宮城県、20代男性)」といった感想が寄せられました。
 30日は「弓矢チャレンジ」「凹み石でクルミ割り」というアクティブ系のイベントを実施しました。弓で動物の的めがけて矢を飛ばす「弓矢チャレンジ」は大人から子どもまで楽しんでいただけたようです。また、クルミを石でたたいて割る体験は普段できないためか、夢中になってくれる小学生もいました。「イノシシにあたったことがうれしかった(天童市、小学生女子)」「クルミ割りも弓矢も楽しかったです(静岡県、20代女性)」「便利な時代に生活しているので、縄文時代のくらしを自分で体感して、生きていくことの再確認になった(寒河江市、60代女性)」といった感想が寄せられました。多くの方々から楽しんでもらい、職員一同うれしく思います。
 イベントの開催にあたっては、(公財)山形県埋蔵文化財センターと山形県立うきたむ風土記の丘考古資料館の職員からご協力を頂きました。この場をお借りして御礼申し上げます。

 11月23日(水・祝)には「親子で勾玉をつくろう」も行われます。1組で2つの勾玉がつくれますので、こちらもぜひご参加ください。

来館者数2万人突破セレモニー

10月18日(火)に今年度の来館者数が2万人を突破し、記念セレモニーが行われました!
これまでにご来館いただいた皆さま、誠にありがとうございました。

2万人目のお客様は、河北町立谷地西部小学校の皆さまでした。
今回のセレモニーは教育資料館(分館)で行われ、新鮮な光景となりました。

セレモニー後、小学生の皆さまは分館職員による解説を聞きながら、興味深そうに館内の展示を見学していらっしゃいました。

なお、山形県立博物館(本館)では、12月11日(日)まで、プライム企画展「女神たちの饗宴 ―「縄文の女神」国宝指定10周年―」を開催中です。
こちらも連日多くのお客様にお越しいただき、嬉しい限りです。

本館・分館ともに皆さまのご来館を心よりお待ちしておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

プライム企画展体験イベント①を開催しました(報告)

 10月1日(土)から、博物館ではプライム企画展「女神たちの饗宴-『縄文の女神』国宝指定10周年-」を開催しております。国宝土偶「縄文の女神」が国宝に指定されてから10周年にあたるのを記念して、全国から国宝土偶(複製)を集め、5体全てを一堂に会して展示しております。
 10月16日(日)は体験イベント「ミニチュア土偶をつくろう」を開催しました。今回は県立村山産業高等学校からご協力いただきました。電子情報科の先生・生徒のみなさんに講師をお願いして、国宝土偶「縄文の女神」の1/2サイズのぺーパークラフトをつくりました。
 3Dデータをもとに、同高校の佐藤和彦先生がデザインしたペーパークラフトは精巧なものです。佐藤先生が作り方の順番をスクリーンに示すと、6人の高校生が一つ一つ丁寧に説明してくれました。小さなお子様から大人の方まで、高校生と一緒に完成させていました。みなさん、出来上がった「縄文の女神」像にとっても喜んでくださいました。
 記念講演会のイベントは、10月29日(土)・30日(日)に「体験!縄文のくらし」が行われる予定です。両日とも「東北文化の日」に伴い無料で入館・参加できます。また、11月23日(水・祝)には「親子で勾玉をつくろう」も行われます。1組で2つの勾玉がつくれますので、こちらもぜひご参加ください。

 

博物館講座④を開催しました(報告)

 博物館では、館長や当館職員、大学の先生などを講師としてお招きし、それぞれの専門分野について、分かりやすく紹介していただく「博物館講座」を年6回実施しております。
 10月15日(土)は当館の細越林太郎研究員を講師として、第4回博物館講座を開催しました。
 講座の題材は「基礎から学ぶ身近な遺伝子の話」です。近年、iPS細胞や出生前診断、ゲノム編集など、遺伝子に関係するニュースが数多く聞かれるようになりました。遺伝子とはどういったものか、最近の研究はどのようなことが行われているのか。今回は遺伝子の基礎から丁寧に解説してもらいました。
 ゲノムや染色体、DNAといった言葉の意味といった基本的な知識から、双子や三つ子が生まれるしくみ、クローン技術についてなど、興味深い内容をできるだけわかりやすく解説してもらいました。また、「DNAを抽出してみてみよう」ということで、実際にバナナを使って実験もしました。最後にエタノールを注入すると、白いふわっとしたかたまりでDNAを取り出したところ、参加者からも驚きと感心の混じった声が聞かれました。遺伝子の研究が未来の私たちの生活に大きな影響をもたらすだろう、そんなことを実感させられたお話しでした。

 次回の博物館講座⑤は12月17日(土)に、当館の生島信行館長を講師として開催します。演題や申し込みフォームなど、詳しくは近日ホームページ上でお知らせしますので、こちらもぜひご参加ください。

プライム企画展記念講演会①を開催しました(報告)

 10月1日(土)から、博物館ではプライム企画展「女神たちの饗宴-『縄文の女神』国宝指定10周年-」を開催しております。国宝土偶「縄文の女神」が国宝に指定されてから10周年にあたるのを記念して、全国から国宝土偶(複製)を集め、5体全てを一堂に会して展示しております。
 10月9日(日)は、文化庁の原田昌幸文化財調査官をお招きし、国宝土偶の持つ魅力や海外で「縄文の女神」を展示した時のことなどをお話しいただきました。
 土偶は、縄文時代の人びとの精神文化を語る貴重な文化財であること、時代を超えて私たちの感性に強く語りかける貴重な文化財であることを、造形のポイントやデザインとしての面白さなどとあわせてお話しいただきました。また、イギリスやフランスでの展示会について、準備から開催にいたるまでの大変だったお話を聞くことができました。
 「縄文の女神」をはじめ多くの文化財の指定に長らく関わられたその経験に基づくお話しはとても楽しく、たくさん学ばせていただきました。
 講演の後は展示室に移動し、ギャラリートークもしていただきました。お忙しいにもかかわらず、参加者の質問にもお答えいただき、楽しい時を過ごすことができました。

 次回の記念講演会②は11月6日(日)に、山形考古学会会長の阿部明彦先生を講師にお招きして開催します。阿部先生は山形県内の遺跡調査に長らく関り、また「縄文の女神」が重要文化財に指定された時には当館学芸員としてご尽力いただいた方です。詳しくは近日ホームページ上でお知らせしますので、こちらもぜひご参加ください。