博物館ブログ

2025年1月
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第6回博物館講座を開催しました。

 博物館では、館長や当館職員、大学の先生などを講師としてお招きし、それぞれの専門分野で研究されていることを紹介する「博物館講座」を実施しております。中でも、東北大学東北アジア研究センター上廣歴史資料学研究部門とは連携事業の一環として、2013年度から毎年講師を派遣していただき、最新の研究成果をもとに山形県の地域史を題材としたご講演をいただいています。

 1月18日(土)の第6回博物館講座では、東北大学東北アジア研究センターの荒武賢一朗教授をお招きし、「地域をかけめぐる江戸時代の商人と流通」という演題でご講演いただきました。
 荒武先生のご専門は北前船による日本海流通など近世・近代の経済史ということで、以前も新庄藩の経済や尾花沢の商人柴崎家の社会貢献についてお話されています。
 今回は江戸時代の山形の商人の活動についてお話しいただきました。紅花や青苧といった山形の特産物を京都・江戸などに出荷・販売する商いで栄えた長谷川家・福島家の商業活動、上杉氏の城下町米沢の商工業や租税、倹約令の記録からみた経済の様子、庄内地方の温海地区における山形・鶴岡・酒田の商人の出入りなど、山形県各地の商人たちの動きについて、まさに「かけめぐる」様子を知ることが出来ました。江戸時代初期から伊勢・近江の商人が山形に進出してきたことの理由、また近江商人が山形に土着していく中でどのような行動をとったかなど、商業都市山形の姿を知るきっかけともなりました。

 参加者からは「米沢や山形の商業の発展を理解できた」「近江商人の山形出店までの長い歴史が初めて分かりました。蒲生が影響しているとは」「久しぶりに歴史の勉強をさせていただきました。機会があればまた出席したいと思います。」といった感想が聞かれました。

 次回は2月1日(土)、当館の稲垣圭祐学芸員による第7回博物館講座「日本人と麺食~日本人はどのような麺を食べてきたのか~」を開催します。詳しくはホームページでお知らせしておりますので、ぜひご参加ください。

「大切な文化財を火災から守りましょう」

冬は火災のリスクが非常に高まる季節です。国の重要文化財に指定されている教育資料館では
毎年1月下旬に火災を想定した総合的な消防訓練を実施しています。
今年は1月29日(水)10時から実施予定です。当日来館されたお客様には避難訓練に参加して
いただく場合がございますので予めご了承くださいませ。

教育資料館職員と博物館本館職員が合同で訓練を行います。
山形市消防署員の立ち会い指導の下、避難誘導・通報の演習と屋外消火栓を使用しての
放水訓練など様々な訓練を行う予定となっております。

(資料館の屋外消火栓)
(一番古い屋外消火栓 ※現在は使われておりません)

上記の写真は敷地内に設置されている屋外消火栓です。
近年の消火栓とは異なる珍しいデザインをしているのでご紹介させていただきました。
とてもレトロな見た目をしていますよね。

そして毎年1月26日は「文化財防火デー」に制定されています。
出火防止対策を徹底することはもちろんですが、万が一火災が発生した際に被害が最小限で済むよう
日頃から防火意識を高め、貴重な文化財をみんなで守っていきましょう。

◇ 資料館からのお知らせ

1/29(水)10:00~ 消防訓練実施

冬の資料館はとても寒いので防寒対策をしっかりしてお越しください。
本年もたくさんの方のご来館を心よりお待ちしております。