博物館ブログ

2022年9月
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博物館講座③を開催しました(報告)

 博物館では、館長や当館職員、大学の先生などを講師としてお招きし、それぞれの専門分野について、分かりやすく紹介していただく「博物館講座」を年6回実施しております。
9月17日(土)、東北芸術工科大学の松田俊介先生を講師にお招きして、第3回博物館講座を開催しました。
 講座の題材は「奇祭から考える民俗行事の困難と再生」です。「奇祭」とは、独特の習俗をもった、風変わりなお祭りのことで、その地方独特の風習にもとづくものだそうです。今回とりあげた奇祭は、松田先生がフィールドワークで実際に調査した、栃木県日光市山内輪王寺に伝わる「子供強飯式」というものでした。子どもが演じる山伏などが、大人に、大量の米飯などを食べるよう強いるという、不思議なお祭りです。松田先生からは、同じ祭りでも地区ごとに作法や演出が異なることや、少子化に伴い運営や意識が変化していくことなど、時代とともに民俗行事の維持と再生が課題となっていくことなどを、貴重な映像などとともにお話しいただきました。

 今後も、当館では様々な分野の専門家を講師にお招きし、博物館講座を開催して参ります。詳しくはホームページでお知らせしますので、よろしくお願いします。

教育資料館の敷地内の庭が綺麗になりました

皆さま、ご無沙汰しております。こちら分館の教育資料館です
 大変厳しい夏が終わり、秋の気配をしみじみと感じる今日のこの頃ですね。皆様、いかがお過ごしでしょうか?教育資料館の敷地内にあるトチノキは今年もたくさんの実がなっていて、来館者の目を楽しませております。たわわに実っているトチノミが大きな音を立ててどんどん落ちてくる時期になりました。

 さて、山形県立博物館本館はさる9月3日~9月13日まで、二年に一度の燻蒸期間になっており、その期間は臨時休館をさせて頂いておりました。この度は普段は本館に勤務している職員と一緒に、9月8日~9月10日に教育資料館の敷地内の草むしりを行いました。普段の日常の業務中にはなかなか行き届かない所まで綺麗にするのが今回の目的です。

 特に正門近くと門衛所の廻りなどの場所を重点的に行いました。協力して頑張った結果、草が至る所に生えて、やや見苦しかった敷地内の庭が、以前よりもサッパリとして綺麗になりました。

 もうすぐ秋の行楽シーズンです。教育資料館の敷地内でトチノミ拾いができるのは秋の今のこの時期だけになります。館内も涼しく大変快適な時期ですので、教育資料館を訪れたことのない知り合いや親戚、友人等々をお誘いあわせの上、是非お越しください!

 尚、山形県立博物館本館では、まもなく令和4年度プライム企画展『女神たちの饗宴―「縄文の女神」国宝指定10周年―』が開催されます。会期は10月1日~12月11日になります。職員一同、皆様のご来館をお待ちしております。

プライム企画展の構成をご案内します。

 10月1日よりプライム企画展「女神たちの饗宴 ―「縄文の女神」国宝指定10周年―」を開催します。準備は順調に進んでいます。

 プライム企画展の展示は、全部で4部構成となっています。第1部は、「女神たちの饗宴」です。平成7(1995)年、長野県の「縄文のビーナス」が国宝に指定されてから、これまで5点の土偶が国宝に指定されています。国宝土偶(複製)5点を一堂に会し、土偶の持つ魅力や造形の美しさを感じていただければと思います。
 第2部は、「女神の降臨 ―舟形町西ノ前遺跡―」です。縄文の女神は、平成4(1992)年に行われた西ノ前遺跡の発掘調査において、4500年のときを経て姿を現しました。出土した様子や出土品を紹介し、どのような生活をしていたかについても見ていきます。
 第3部は、「縄文人の祈り ―集落と土偶―」です。山形県内の主な集落遺跡とそこから出土した土偶などを紹介しながら、豊かな自然の恵みを受けながら定住生活を営んだ縄文人の生活や精神などを見ていきます。
 第4部は、「山形の宝 ―みらいにつなぐ―」です。自然を敬いともに暮らすという想いや考え方は、現代まで受け継がれています。山形県内の国宝や文化的景観を紹介しながら、先人が作り上げた郷土の歴史や文化をつないで欲しいという願いを感じていただければと思います。

 まもなく公式ツイッターにおいて、連日見どころを紹介していきます。ご注目ください。