ペンネーム:学芸課長です
学芸課の課長として、今年4月からお世話になっております。赴任する前は、数学の教員として教育現場におりました。趣味は、スポーツ観戦や旅行です。特に阪神タイガースの応援は最高です。こんな私ですが、今回、執筆の機会をいただきましたので、随想的な形で記させていただきます。博物館に無関係かつ昔の話で恐縮ですが…
2014年(平成26年)の阪神タイガースは、セ・リーグで2位となり、その年のクライマックスシリーズに進んだ。ファーストステージで広島を撃破し、ファイナルステージでも流れに乗ってセ・リーグ優勝の巨人を破り、日本シリーズに進む。私は非常に喜んだが、更に人生の運を使い果たしたかのような出来事に遭遇した。日本シリーズ第6戦・第7戦(甲子園)のチケットが2枚ずつ当たったのだ。信じられなかったが、まず一緒に行く相棒を探した。高2の息子が最有力候補だったが、「部活で忙しい。」と断られた。妻も「子供の世話がある」ので無理だった。しかし、なんと、野球嫌いの娘(中3)が「USJにも行くならば付き合っても良い(受験生だけど…)」とのことで、相棒が決定した。
次なる課題は、宿と航空チケットの手配だ。しかし、「いや待てよ…果たして第6戦以降の試合は存在するのか?(日本シリーズは、どちらかが4勝すれば終了となります。)キャンセルは無理っぽいぞ。こんな状況に、十数万円もかけていいのか?」といったセコイ考えが脳裏をかすめた。で、「数学教師らしく、第6戦以降になる確率を計算してみよう」と考えた私は、次のような計算を行い、日本シリーズが第6戦以降になる確率を計算した。
計算の前提: 〇勝つ確率 1/2 ×負ける確率1/2 引き分けは無し とした。
ⅰ)第4戦で終了する確率 〇〇〇〇 ×××× 2*(1/2)4 よって、12.5%
ⅱ)第5戦で終了する確率 ×〇〇〇〇 〇×〇〇〇 〇〇×〇〇 〇〇〇×〇
その逆パターンもあるので、 2*4*(1/2)5 よって、 25%
ⅲ)第6戦で終了する確率 ××〇〇〇〇 〇×〇×〇〇など 第5戦まで〇3回 ×2回 最後〇
その逆パターンもあるので、 2*5C2*(1/2)3*(1/2)2*(1/2) よって、31.25%
ⅳ)第7戦で終了する確率 ×××〇〇〇〇 〇×〇×〇×〇など 第6戦まで〇3回 ×3回 最後〇
その逆パターンもあるので、 2*6C3*(1/2)3*(1/2)3*(1/2) よって、31.25%
【結論】 ⅲ) ⅳ)より、第6戦以降となる確率は、62.5%
(別解として、樹形図から考える方法もあります。)
(ちなみに、統計(過去のデータ)から考察すると、2013年まで64回行われた日本シリーズで、第6戦以降になったのは43回。実際には引き分けもあるため、理論よりさらに高くなり67.2%であった。)
私は、自分の直観よりも高い確率で数値が出たことに喜び、すぐにホテルと飛行機の予約をし、娘には、「USJで遊ぶのは午後3時までだ。」と言い聞かせ、「あとは行くだけ」の状態にした。しかし…
福岡ソフトバンクホークスに、〇×××× の1勝4敗、第5戦で終了…。娘は大喜び・私は失意のもと、親子2人でUSJへ出かけて行った…(今では、いい思い出です)。
そして、今年。セ・リーグをぶっちぎりで優勝したタイガースは、日本シリーズに駆け上がり、あの時と同じ福岡ソフトバンクホークスと対戦。今回、チケットは当たらなかったが、結果は、〇×××× の1勝4敗で幕を閉じた…(歴史は繰り返されますね)。
