博物館では、大学の教授をはじめとする専門家を講師としてお招きし、それぞれの研究分野について紹介する「博物館講座」を実施しています。
9月20日(土)の第3回博物館講座では、東北芸術工科大学の佐藤祐輔(さとうゆうすけ)先生を講師としてお迎えし、「先史時代の石器づくり」をテーマにご講演いただきました。今回の講座には14名の方が参加され、メモを取りながら、またスマートフォンで写真を撮りながら、熱心に耳を傾けていました。
佐藤先生は弥生時代を専門とされていますが、前職では石器の製作実験や実演に携わっており、その豊富な経験を基に、石器づくりに関する貴重な知見を披露していただきました。
講演の前半では、「石器づくり」における石材の性質や産地情報、石材選択の重要性についてお話しいただきました。また、地域や時代による石器づくりの違いや、その過程で使用される道具についても詳しく説明されました。
後半では、参加者の前で実際に石器を作る過程を実演していただきました。作り手の意識や、石を割る際のポイントを解説しながら、石から石器を作り出す様子を示してくださいました。石刃がうまく取れると、会場からは「おおっ~」という感動の声が上がり、参加者からは多くの質問も寄せられました。実演を通じて、実際に石が割れる様子を目の当たりにし、感動を覚えた方々も多かったようです。
講演後には、参加者から次のような感想が寄せられました。
「石器製作の実演がとても面白かった。実演の中で詳しい解説があり、その時代に自分がいるかのような感覚になった。展示物を見る目が変わった。」「先史時代の生活に引き込まれるような感覚を得た。」「実演が非常に良かった。自分でも石を割ってみたくなった。」
詳細な解説と共に、石器製作の実演が行われたことで、先史時代の人々による石器づくりについて深く学ぶことができ、非常に興味深い講演となりました。
次回は10月18日(土)、当館学芸員による第4回博物館講座「学芸員の仕事を体験―あなたの宝物を展示―」を開催します。詳細はホームページでお知らせしていますので、ぜひご参加ください。

