館長室だより(平成24年度)

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2012/07/04

7月の窓

Tweet ThisSend to Facebook | by y0000
 7月に真黄色の花を咲かせ、山形とゆかりのある花に、紅花があります。江戸時代においては、土も肥えて水はけもよい最上川流域が紅花の一大産地となり、山形の紅花は京都や大阪で大変重宝されました。現在は、山形県の木としても知られていますが、なぜ県の木に選ばれたのか、県立博物館の展示説明には、次のようにありました。

 昭和29年にNHKが全国的に「郷土の花」を選定した時に、山形県は「べにばな」が選ばれており、また、県を代表する花として親しまれていたことなどから「べにばな」に決定しました。(昭和57年3月31日制定)

 芭蕉が、尾花沢で詠んだ次の句が有名です。

   眉(まゆ)掃(は)きを 俤(おもかげ)にして 紅の花

 一面に咲いている紅花が、眉を掃く小さな刷毛に似ている様を詠んだものです。
 現在の紅花の産地としては、山形市の高瀬地区がよく知られていますが、白鷹町も紅花の産地として有名です。高瀬地区では7月7日(土)と8日(日)、白鷹町では7月14日(土)と15日(日)に、紅花まつりが開催されます。昨年と一昨年、白鷹の紅花を見に行ったのですが、摘み取りが終わった後でしたので、今年は早めに行ってみたいと思います。

 さて、6月は、博物館にとってとても大きなイベントが続いた月でした。
 まず、6月8日から10日まで、舟形町中央公民館で「西ノ前土偶里帰り展」が開催され、私も出席させていただきました。国宝に指定されることが決まった後初めての「縄文の女神」実物展示でしたが、舟形町としては14年ぶりの里帰りとなりました。写真は、「縄文の女神」に見入る人たちと、他の国宝土偶との大きさを比較したものです。


 土偶として国宝に指定されたのは、西ノ前土偶「縄文の女神」が4件目となりますが、高さ45センチメートルは、国内出土の土偶としては最大のものです。すでに国宝になっているのは、写真の左から青森県八戸市出土の「合掌土偶」、長野県茅野市出土の「縄文のビーナス」、北海道函館市出土の「中空土偶」となりますが、「縄文の女神」の大きさがわかると思います。

 次に、4月からの入館者数が、6月22日に1万人を超えました。米沢市立六郷小学校の皆さんがちょうど1万人目ということで、認定証と縄文の女神のクリスタル像をプレゼントさせていただきました。記念に写真も撮影しましたが、先生にも児童の皆さんにも喜んでいただきました。



 6月23日(土)には、特別体験イベントとして「化石のレプリカつくり」がありました。主に小学生を対象に募集したところ、たくさんの応募があり、当日は、一家で来てくださった方もいました。最初の写真は、博物館の職員が講師となり、小学生に作り方を教えているところで、みんな真剣に聞いていました。せっこうに本物の化石を手で押し当ててレプリカを作りました。2枚目の写真が、完成したレプリカで、左がアンモナイト、右が三葉虫です。


 3枚目の写真は、自分で作ったレプリカを手にして記念写真を撮ったところです。なお、2回目のレプリカつくりは、10月6日(土)に予定しており、9月6日から予約開始となりますので、興味ある方はぜひ応募してください。



 そして、6月30日(土)には、企画展「豊穣と祈り」が始まりました。この企画展は、西ノ前遺跡出土土偶「縄文の女神」の国宝指定を記念して開催するもので、本物を本館で展示するのは、4月20日の国宝指定答申後、初めてとなります。「縄文の女神」の他にも、長野県で出土した「縄文のビーナス」や「仮面の土偶」そして青森県出土の「大型板状土偶」(いずれも複製)など異なる文化圏の土偶を展示し、縄文時代前半期を中心に縄文文化の一端を見ていただきます。


 通常の企画展は、第三展示室の半分を使って行いますが、今回は、500近い展示品があるので、第三展示室全部を使うことになりました。最初の写真は、普段展示しているものを別の部屋に移動して、何もなくなったところです。次の写真は、担当者の指示で、土偶などを並べているところです。山形市立第三中学校の2年生3名が、職場体験で博物館に来ていたので、企画展の準備を手伝ってもらいました。その時の写真が3枚目で、4枚目は、今回の主役である「縄文の女神」の準備がいよいよできた時のものです。この時は、許可をいただいて写真撮影しましたが、企画展では、写真撮影禁止となっておりますので、ご了承ください。


 企画展が始まる1週間前の6月23日と24日の2日間、文翔館を会場として日本一「さくらんぼ」祭りが開催され、いろんなイベントがありました。24日に行ってみたところ、文翔館前広場の一角に、巨大な木彫りの「縄文の女神」が飾られていました。とてもよくできているので、誰が作ってくれたのかと思って見てみると、「かみのやま温泉かかし祭実行委員会」とありました。その数日後、この木彫りの女神を県立博物館で飾ってもらえないかという話が突然あり、急遽玄関前に飾ることになりました。ただ、本館には、これほど大きなものを運ぶトラックもないので、事情を話したところ、運搬もすべてしてくださるとのことでした。ご好意に甘えながら、29日の午後に運んでいただきました。写真は、文翔館前に飾られていた「縄文の女神」と、その女神がクレーン車で本館に降ろされるところです。

    
 この日、テレビ収録で本館に来ていた「たいき」くんたちと一緒に記念写真を撮ってもらいました。たいきくんは、20年前に山形県で開催された「べにばな国体」のマスコットキャラクターですが、その長男として話題になった「じゅっきー」くんも来てくれました。もう一人の女性は誰かと思って蔵王温泉のホームページを調べたら、たいきくんの奥さんの「むひょこちゃん」であることがわかりました。2月5日の山形新聞によると、2人は昨年12月の蔵王温泉スキー場開きで結婚式を挙げ、既に子どもを授かっていることが明かされ、名前を募集したところ、応募270通の中から「じゅっきーくん」と命名したとのことでした。最初は、女神の両脇にたいきくん一家が並んで立った写真を撮ったのですが。たいきくんから私も入るようにと誘われ、一緒に撮ってもらいました。



 最後に、本館で展示しているものとして、今月は「紫水晶」を紹介します。この紫水晶は、玄関を入ってすぐのところにあるので、とても目立っています。横幅が最大で90センチ近くあり、「ブラジル産、石坂公成氏寄贈」と説明がありました。石坂公成さんは、世界的に有名な免疫学者で、文化勲章も受章しいてる方で、以前山形県教育委員会の教育委員長も務められました。その頃私も県の教育庁に勤務していたので、お世話になった方でもあります。写真は、その紫水晶と、1万人目の入館者となった六郷小学校の皆さんが触って見ているところです。本館においでの時は、ぜひ触ってみてください。

 

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