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2016/08/31

葉月

Tweet ThisSend to Facebook | by y001
山形では、新学期が始まる時期を迎えました。児童からの自由研究に関する問合せの電話も増えているようです。また、一気に秋を感じさせる朝晩の空気に驚いています。

 さて、先月下旬から「ポケモンGO」騒動が起こり、ここ霞城公園は大賑わいでした。スマートホンの画面を見ながら、公園内を散策する老若男女たちを横目に、博物館にも入館してくれないものかと念じていました。
 月末の2日間「ナイトミュージアム」を開催し、大勢の皆さんにお越しいただきました。4年目を迎えたこともあり、来館者の皆さんは懐中電灯を持参し、さまざまなイベントを楽しんでくださいました。夜間の行事ということもあり、山形市内の方がほとんどでしたが、米沢からお孫さん連れで参加してくださった方、ママ友からSNSを通じて企画内容を知り、新庄から参加してくださった方は「来てよかった」と言って帰られました。私たち職員には、たいへん嬉しい一言でした。

 

 
   ナイトミュージアムの様子


 最近、平田オリザ著『下り坂をそろそろと下りる』(講談社現代新書)を読み、「文化」の大切さを改めて考えさせられました。
 「街中に、映画館もジャズ喫茶もライブハウスも古本屋もなくし、のっぺりとしたつまらない街、男女の出会いのない街を創っておいて、行政が慣れない婚活パーティーなどやっている。本末転倒ではないか」
 人口減少に悩む地方で一番欠けているのは、男女が偶然に出会える場だと述べています。地方でも私の高校時代には、あった施設がなくなっている現状を再認識させられました。
 一方、「坂」つながりで思い出したのですが。藤原和博著『坂の上の坂』(ポプラ社)には、退職後に控える長い第2の人生に対する備えの重要性が述べられていました。「坂」の見立て方や見方は異なりますが、現在の日本が抱える課題への対処法が示されている本です。

 さらに、最近の「クマの出没」の増加について興味深い話を聞きました。新聞報道などで、ブナの実の豊凶が原因などと取り上げられています。その方は、「境界」が曖昧になったことが大きいのではないかというのです。かつて、マタギによるクマ狩りがあり、里に出没したクマは徹底的に追い詰められ、命を取られることもありました。里の人間は、ワナや武器を駆使し懲らしめました。ところが、最近、クマの生態を無視した生息区域を横切る道路や耕作放棄地が増え(クマ側の領域が増え)、命の危険を感じるような罰を受けることも少なくなり、人間をエサの如く考える(?)クマもいるのではないかというのです。
 人口減少が進む地方にとって、看過できない問題のような気がしてくるのですが…

 
   ニホンツキノワグマの標本は当館のひそかな人気者です!
   このあと、クマさんと同じポーズでみんなで写真を撮りました☆

 8月は、夏休み体験教室(勾玉・化石レプリカつくり)、昔の遊び道具・おしばのしおりつくり、高校生学芸員一日体験講座、博物館実習と大勢の幼児、児童、生徒、学生のみなさんに来館していただきました。確かな何かを感じてもらえれば幸いです。
 
 「日本の将来、4割が悲観的」(8/19共同通信/民間非営利団体「言論NPO」調査)によると「楽観的」も、インド75.9%、インドネシア65.3%、日本20.7%という数字でした。少しでも「希望」を持てる若者を増やしたいものですね。
 
 9月8日(木)から16日(金)まで燻蒸のため、閉館させていただきます。どうぞ、ご注意ください。なお、教育資料館は通常通りの開館になります。

 
   28年度入館者2万人目となった天童市立干布小のみなさんと
17:00