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2015/08/22

葉月

Tweet ThisSend to Facebook | by y001
 立秋を迎え十日余り、朝晩の涼しさが心地よく感じられるようになりました。
お盆過ぎの通勤路の傍らの情景からも夏の終わりを感じています。
畑に取り残された小さなスイカが日に日に黄色みを増しています。
また、霞城公園の蝉の声も間遠になっている感があります。
 
 8月を振り返ると、1・2日「ナイトミュージアム」、3・4日「高校生の学芸員一日体験講座」、5日「子ども知事室」6・7日「勾玉つくり」、9・14日「昔の遊び道具つくり」、10日「おしばのしおりつくり」、13日「変形菌観察会」とイベントが目白押しでした。


※ナイトミュージアムの様子。

 それぞれのイベントに、多くの皆さんにお越しいただきありがとうございました。
つい最近までは、夏休みの自由研究などの相談に来館する小学生の姿をちらほら見かけます。山形の小学生の夏休みもそろそろ終わりにさしかかってきたことを感じます。


※博物館の資料をスケッチ!

 戦後70年にちなむ特設展示「新発見ものづくり山形!! ~日飛山形工場を知っていますか?~」(8/3~21)を開催しました。
山形市内の方から、お父様が製造に関わり親子2代にわたって大切に保管してきたプロペラを寄贈していただき、今回の展示にいたりました。
 90歳になる男性が、新聞報道で知り来館くださいました。
20歳の時、製造にかかわった方でした。戦後初めて、今回のプロペラを目にし「まだ、あったんだ。」と驚いていらっしゃいました。
材料は北海道から取り寄せたそうで、海軍省の検査も厳しかったという思い出を話して行かれました。
山形のものづくりに関わった先人たちの苦労と工夫を感じることができました。
 
 朝、「ハウステンボス」の再生についての新聞記事を目にして、USJといいTDLといい新企画を次々に打ち出す企業のパワーにあやかりたいなと思いました。
 橋本治氏は『ひらがな日本美術史』の「テーマパークであるようなもの」という章で平等院鳳凰堂を取り上げ、時の最高権力者である関白藤原頼通がありったけの財力と権力を傾けて造った、当時の「美学の粋」であり「贅美の極み」であるような建物なのだと述べています。
こうなると、先立つものが必要なので、庶民には叶えられない夢ですね。
 
 最近『生きて帰ってきた男-ある日本兵の戦争と戦後』(岩波新書:小熊英二著)を読み、「人生、塞翁が馬」という格言と「人間にとって大切なもの」について考えました。
シベリア抑留や結核療養所生活を経験した著者の父は、人間にとって何がいちばん大切だと思ったか、という問いに
「希望だ。それがあれば、人間は生きていける」
と答えたそうです。
 「夢」や「希望」につながる何かを、山形県立博物館をこの夏休みに訪れた子どもたちに感じてもらえたらいいなと思っています。


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