やまはくブログ

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2020/06/03

開館して…

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 今年度初のやまはくブログになります。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
 本来ならば、柔らかな日差しに胸を躍らせる子どもたち、新たに気を引き締める大人たちと、さまざまな想いが駆け巡る春ですが、2020年は、新型コロナウイルスの影響で通常とは異なる、不安が大きい時期となりました。
 山形県立博物館では、3月28日から5月14日まで臨時休館しました。翌日から開館したものの、例年に比べると来館者が少ないのが現状です。お客さまの声が聞こえないのはやはり寂しいものです。
 しかし、開門した霞城公園内を散歩している方々を見て、少しずつ見慣れた景色に戻りつつあることに安堵にも似たものを感じております。

 今年度から新たに開講される博物館講座、毎回ご好評をいただいている古文書講座、縄文の女神展示解説会、植物観察会、自然学習会等の各種催しの中止を余儀なくされていることが非常に残念ですが、第二回やまはくセレクション展6月7日(日)までと開催期間が延長されました。
 各部門担当者が厳選した、普段は展示されていない資料をじっくり見ることができます。残り数日となってきました。新緑の霞城公園を散策しながら、お身体と相談して、お立ち寄りいただければと思います。ゆったりと穏やかなひとときをお過ごしになってはいかがでしょうか。

 恵みの雨、そして眩しい夏がやってきます。今までと生活様式が変わりゆく中で、環境に慣れていくことそのものが難しいとも思われますが、皆さまお身体に気をつけてお過ごしください。


新型コロナウイルス感染症の終息を願いながら


08:56
2020/03/31

オスとメスの見分け方

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 博物館科学講座
  「オスとメスは、どうやって見分けるの?」

 これは、一見すると簡単な問いかけにしか見えないかもしれません。
 確かに私たちヒトには、生まれたときから外部生殖器が付いていますので、これをもとに産まれ立ての赤ん坊(=新生児)でも、男と女を見分けるのは難しいことではありません。これを第一次性徴と言います(性別を決定する基本要素で、生殖器のみに見られる生物学的性差のことですが、一義的には精巣と卵巣を指します)。ヒト以外の動物でも、新生児の段階でオスとメスの違いを外観で見分けることが出来る例は、いくつか存在します。これを性的二型と言います(たとえば、カブトムシのオスの角はサナギの段階で雌雄差が見られます)。

 ミツクリエナガチョウチンアンコウ科やオニアンコウ科などのチョウチンアンコウ類は、雌雄の体の大きさが極端に異なる例として知られています。オスはメスへの寄生をしない自由生活性の矮雄(わいゆう)として知られていますが、メスを見つけると腹部に食いつき、一体化します(たとえば、チョウチンアンコウのメスは体長が60cm以上ありますが、オスの体長は4cm以下です)。

 しかし、性成熟という現象に着目して動物界全体を見渡してみると、オスとメスが判別可能なのは大人(=成体)になってから、または成体になっても繁殖の時期だけという動物が多いことに気づくでしょう。繁殖期には雌雄の個体に第二次性徴が発達し、雌雄の判別が可能になる種が数多く存在します。新生児の段階では判別が出来ず、成体になってから雌雄の判別が可能な動物の例として、ライオンのオスの鬣(たてがみ)、ニワトリのオスの鶏冠(とさか)、クジャクのオスの極彩色の羽が有名です。

 成体になっても繁殖の時期だけ雌雄の判別が可能な動物の例として、両生類が有名です。カエル類では、オスの前肢の親指の付け根に発達した指ダコや、前肢の付け根をつかまれたときの解放鳴きで判別できます。サンショウウオ類では、オスの総排出口周辺部の膨らみ、喉元に発達した白色斑や黄色斑、顎腺、前肢の掌に発達した婚姻瘤で判別できます。しかしながら、いずれの動物でも、第二次性徴の未発達なオスとメス、及び幼体との判別が外観からは付き難いという現実があります。

 それじゃ、どうする?という問題ですが、一番簡単な解決方法は、個体を解剖してしまうことです(精巣と卵巣の違いで判別します)。しかし、それでは個体を殺すか、たとえ殺さなくても個体に大きなダメージを負わすことになります。採血して、血中ホルモン(主にステロイド系ホルモン)濃度の比率から、雌雄を割り出す方法があります。しかし、この方法では、個体を捕獲する必要があります。

 そこで考え出されたのが、動物個体(野生の哺乳類、鳥類、両生類など)の残留物(糞、抜け毛、羽毛など)からホルモン濃度の比率を求め、雌雄を推測する方法です。たとえば、ジャイアントパンダの糞中のテストステロン濃度は月ごとに変動しますが、メスよりもオスで常に高いという特徴があります。北米産ヒキガエルでは、糞中のテストステロン代謝濃度がメスよりオスで高い種や、エストラジオール代謝濃度がオスよりメスで高い種が存在しますので、ステロイドホルモン代謝濃度が種によって異なることに注意が必要です。

 野生の動物は雌雄の判別が困難なケースが多いという事実から、私たちヒトが稀有な存在であるということ(ヒト以外の動物では、オスとメスを簡単に見分けられるのが当たり前ではないということ)に思いをはせてみるのも、また一興かもしれません。

09:00
2019/12/03

冬のやまはく

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早いもので師走です。雪景色は未だ見られませんが、冬のツンとした鋭い冷気に凍えます。

今年は、12月27日(金)までの開館となっておりますが、今月は多くの講座、展示解説会が開催されます。


まずは、館長・学芸員講座が二週連続控えております。

第4回目《12月7日(土)》は、小林研究員による「空を観よう! 上は面白い!」という空にまつわる楽しいお話。空を見上げて、ひとときの休息時…新たな視点を学べる絶好の機会です。

そして第5回目《12月14日(土)》今年度最後の講座は、当館髙橋館長による「いろんなモノを数えよう ―❝無限❞のふしぎ―」です。少し難しいとも思われがちな数学的なお話ですが、数字の無限性、不思議な魅力に誘われること間違いなしです。

寒さも吹き飛ぶ、熱い講義へぜひ足をお運びください。

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また、12月15日(日)は、特別展「やまがたの城―発掘調査から見える近世城郭の形成―」の展示解説会、第4回目が催されます。

毎回、「分かりやすく丁寧で面白い!」と好評をいただいている原田研究員による解説会もいよいよ最終回。初めての方はもちろんのこと、既に展示をご覧になられた方にもおすすめしたい内容になっております。

やまがたの城をより深く知れる、「なるほど!」な説明に耳を傾けながら、実際に遺物、城絵図・古写真等をご覧になっていただければ、また新たな発見があるかもしれません。

特別展も12月27日(金)までと残り僅かです。皆さまのお越しをお待ちしております。

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さらに、12月22日(日)は、国宝「縄文の女神」展示解説会の第5回目です。

先日、長野県立歴史館の国宝土偶展からお帰りになった縄文の女神さま。出張の間、留守を守った複製女神さまとの挨拶も早々に、堂々と展示ケースへ戻られました。

女神さまの美しい佇まいは、小さなお子さんから年配の方まで幅広い人気を集めております。さすがの貫録です。

こちらも原田研究員による毎回、趣向を凝らした解説になっております。聖夜の前に、じっくりと国宝の魅力に浸ってはいかがでしょうか。

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さいごに、現在JR車内情報誌『トランヴェール』掲載で話題! 愛らしい「相楽人形」の特別ミニ展示も合わせて開催しております。

年越し前に、令和元年最後の思い出に、冬の山博を楽しんでいただきたく思います。



11:28
2019/10/13

学芸員になるには

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 博物館の学芸員には、どうしたらなれるのですか?

 一般的に博物館や美術館は学芸員の資格を持つ方を対象に職員採用試験をおこないますので、まずは大学で学芸員の資格を取得することが前提条件になります。そのためには、博物館学を初めとする学芸員養成講座を開講している大学に入る必要があります。入学した大学で、この講座を人文学部が開講している場合、たとえば理学部に所属する方は、博物館実習を人文学部の単位として、また教育原理を教育学部の単位として取得し、学芸員資格に必要な単位を取ることが可能です。ただし、これらの単位は理学部の卒業単位としては認められません。これとは別に、学芸員の資格を持たなくても、学芸員補として採用されるケースがあります。この場合、博物館で実務経験を積んだ上で、学芸員になるための国家試験を受けることが出来ます。博物館法では「博物館は学芸員を置かなくてはならない」と定めています。そのため、学芸員を置かない施設は博物館として登録することが出来ず、一般的に科学館や資料館などの名称を使用します(ただし、登録博物館でも、博物館の名称を使用しないところがあります)。このような博物館類似施設では、学芸員の資格を持っていなくても勤務することが可能です。

 山形県立博物館は一般的な博物館とは異なり、山形県の小中高校の教員が持ち回りで配属されています。そのため、学芸員の資格を持つ教員は学芸員になり、学芸員の資格を持たない教員は研究員になります。山形県立博物館の学芸課では、学芸員と研究員、管理職である学芸課長が正規職員で、それ以外のおよそ半数は嘱託職員です。嘱託職員には、博物館の公募情報(JREC-IN)を見て応募し、職員採用試験を受けて入った方、正規職員の紹介やハローワークで応募し、面接を受けて入った方がいます。嘱託職員には、学芸員の資格や博士号を持っている方がいますが、正規職員としての採用ではないので、学芸員や研究員を名乗ることは出来ません。また、嘱託職員には様々な制約があり、学芸員や研究員であれば普通に出来ることが出来ないので、常に歯がゆい思いをしています。

 一般的な博物館で学芸員になるのは実力次第だと思いますが、山形県立博物館で学芸員になりたい方は、大学で教員免許と学芸員資格を取り、山形県の教員採用試験を受けて小中高校の教員に採用されてから、博物館への配属を待つのが一番の近道ということになります。


09:02
2019/07/28

夏のやまはく

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この度、やまはくブログが久々の再開となりました。どうぞ宜しくお願い申しあげます。

山形県立博物館では、現在プライム企画展「華のやまがた―花き産業、その美の創造―」が開催されております。

入館してまず目を引くのは、受付横に設置された生花のディスプレイです。
本日までは、七夕をテーマに、上山市産の紅花、鶴岡市産のひまわりといった山形県産の花々をメインに彩られておりました。
「紅花で天の川」をイメージしたディスプレイは、竹などで爽やかな夏空を、トルコぎきょう、スプレーマムがアクセントになって、涼しげながらも可愛らしく和やかな雰囲気が印象的です。
特に女性のお客様にご好評いただいているようで、大変嬉しく思います。
このディスプレイは、写真を撮っていただくことも可能です。来館の記念に一枚いかがでしょうか。
次回は7月30日(火)、8月27日(火)に変わります。
毎回、見応えのある華やかな演出にご期待ください。

また、この度の企画展は、イベントを盛りだくさん準備しております。
展示説明会では、担当の山口研究員による山形の花き栽培について分かりやすいお話があり、より深く展示を理解できるものとなっております。
その後、事前申し込みをしてくださったお客様は、フラワーアレンジメント体験も楽しむことができます。
こちらは、材料費500円をいただくのですが、お花のボリュームが凄いのです。
講師にフラワーアレンジメントインストラクターの今野朋子先生を迎え、ゆったりと季節のお花に触れ合うことができます。現在、男女問わずさまざまな年齢層の方々に参加いただいております。
博物館でフラワーアレンジメントというと、少し不思議かもしれませんが、山形の花々について現在までの発展、生産者の方々の努力等を展示で知った後に、実際にお花に触れるという素敵な体験会になっております。
8月25日(日)9月23日(月・祝)各回の申し込み受付が、8月7日(水)から当館ホームページより開始されます。毎回ご好評をいただいておりますので、お早めにお申し込みください。

そして、現在、小学生向けのイベントが申し込み受付中です。
8月3日(土)「はじめてのフラワーアレンジメント」4日(日)「世界で一つ!紅花で染める皮細工」が開催されます。目で見て楽しい鮮やかな展示に、生花に触れ合いながら、お子さんの感性で自由な表現をしていただけます。
皮細工は、紅花の淡い色合いが可愛らしく、カバンなどに付けても大人っぽい装いになります。親御さんへのプレゼントというのも良いかもしれません。
共に材料費500円で、定員まで若干の余裕がございます。
夏休みの思い出のひとつにしていただきたいイベントです。お友達もお誘い合わせの上、ぜひご参加ください。
詳細はこちら

8月は19日(月)26日(月)以外、毎日開館しております。夏の山博をお楽しみください。


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